『名探偵コナンハロウィンの花嫁』のネタバレ感想【あらすじと見所20選】

この記事は2022年4月15日公開の劇場版『名探偵コナンハロウィンの花嫁』の感想です。

あらすじと筆者の個人的な感想を見所20点と共に記載しています。

※犯人の名前は記載していませんが、それ以外のネタバレ注意です

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劇場版『名探偵コナンハロウィンの花嫁』の感想と見所【ネタバレ注意】
総評：劇場版『名探偵コナンハロウィンの花嫁』は初期コナン映画を彷彿とさせる良作

劇場版『名探偵コナンハロウィンの花嫁』の感想と見所【ネタバレ注意】

本作の簡単な流れは以下の通りです。

『ハロウィンの花嫁』のあらすじ　※ネタバレ注意

１：『揺れる警視庁』で登場した爆弾犯の男が脱走し、それを追う風見と安室

３：一方、高木刑事と佐藤刑事の結婚式に参列するコナンらや警察関係者たち

２：爆弾犯は2人の目の前で爆死し、巻き込まれた風見を助ける安室は、謎の人物によって首に爆弾を付けられる

４：後日行われる村中元警視正の結婚式の警備訓練だったと判明するが、佐藤は松田の時のように死神の影が見えてしまう

５：博士の家で巨大ボール射出ベルトの実験が行われ、庭に大穴が開いて呆れる探偵団たち

６：小五郎に昼ごはんを奢ってもらうことになり、警視庁近くを通ると、焦げたタブレットを持つ謎の男に出会う

７：男が落としたメモを拾って渡す灰原、お礼を言われた瞬間に男が爆死

８：車道に吹き飛ばされた灰原を助ける為小五郎が重症に。一方で爆死した男のポケットには松田の名刺

９：コナンは隔離された安室から、3年前同期らと共に爆弾事件を未然に解決していたことを聞き出し、爆死した男とはその時会ったと判明

１０：入院先の病院に、小五郎にスピーチを頼んでいた村中と新婦のクリスティーヌがお見舞いに

１１：翌日、クリスティーヌの元に知人から渡したいものがあると連絡があり、探偵団が受取に行くことに

１２：実は罠で、コナンは爆破に巻き込まれながらも生還。風見に爆弾の成分を調べるよう依頼

１3：捜査中に千葉が謎の集団に拉致され人質に

１４：松田刑事を出せという犯人達だが、松田は既に殉職しているので変装した高木が犯人の元へ

１５：渋谷の地下で爆弾魔『プラーミャ』を追う集団『ナーダ・ウニチトージティ』と遭遇

１６：警視庁前で爆死した男はリーダー『エレニカ』の兄で、松田の力を借りるために呼び出したと判明

１７：松田が殉職していることがバレるも、コナンや刑事らの突入でその場は収まる

１８：警視庁前で蘭が見たメモの内容から、コナンは犯人の正体にたどり着く

１９：村中らは結婚式を中止しようとするが、プラーミャからは通常通り行わなければ大勢の人間に被害が出ると警告が来る

２０：結婚式当日、ハロウィンでごった返す渋谷で行われる結婚式に、エレニカ達がコナンを人質に乱入

２１：しかしそれはコナンが仕掛けた罠で、全員の前でプラーミャの正体を暴く

２２：負傷した高木や佐藤らが追う中、プラーミャは屋上のヘリで脱出しようとするが、そこに安室が登場

２３：爆弾を解除し、爆破されて墜落するヘリの中で攻防を繰り広げる安室とプラーミャ

２４：プラーミャを倒すも、爆弾の薬液が渋谷のスクランブル交差点に到達すると爆発するという事態に発展

２５：コナンは探偵団、警察、エレニカ達の協力で交差点の真ん中に巨大ボール射出ベルトを設置する

２６：液体爆弾の流れをせき止めることに成功し、事件は解決

２７：安室に、コナンは子供の頃に萩原が助けてくれたことが発想となっていることを話す

２８：それを聞いて空を見上げる安室の瞳が涙に揺れ、高木は佐藤とキスをして終了

犯人の名前は出さず、概ね時系列順に見所を筆者の個人的な感想と共に解説していきます。

見所①：高木と佐藤の結婚式

公開前『ハロウィンの花嫁』のCMなど、いたるところで目玉となっていた高木と佐藤の結婚式。

本編開始10分程度で訓練だと判明します。

さすがに劇場版で二人の本当の結婚式が描かれるとは思っていませんでしたが、「参列していたコナンらも訓練だと知らされてない」という若干強引な導入が面白いです。

蘭との結婚式を妄想するコナンと、からかう園子、それをジト目で見ている灰原もポイント（可愛い）。

なお、園子の出番はここで終わりです。

見所②：博士の凶悪発明品『巨大ボール射出ベルト』

博士の家で結婚式を振り返りながらコスプレ衣装を作っている探偵団は、突如大爆発を目の当たりにします。

事件かと思いきや、博士が『巨大なサッカーボールを射出するベルト』を作成しており、庭に大穴を開ける失敗をやらかします。

「地面に数メートルの穴が開くような実験を行う職業不詳の老人が近所に住んでいる」のはどんな気分だろうと考えつつも、今回のキーアイテムであることは間違いないとすぐに分かる描写。

見所③：灰原を助ける小五郎がかっこいい

目の前で男が爆死したことで車道に吹き飛ばされた灰原を、当たり前のように誰より早く助けに飛び込む小五郎がめちゃくちゃカッコイイです。

小五郎は実質ここで退場となりますが、小五郎のカッコイイエピソードがまた一つ追加されました。

目の前で人が突如爆死するというショッキングな場面ですが、そこはコナン世界。

様々なアクロバティック殺人事件を目にしてきただけあり、探偵団たちですら爆死自体には大してショックは受けていません。

ここで今後の様々な伏線が貼られることになります。

☑そもそも男は誰なのか

☑男のポケットから出てきた松田の名刺

☑焦げたタブレットが爆発した理由

☑蘭が目撃した謎の暗号

見所④：村中とクリスティーヌ

小五郎に結婚式のスピーチを頼んでいた村中とクリスティーヌがお見舞いに訪れます。

どちらも人畜無害そうに見えて絶妙に怪しいのが良い点。

「村中がうっかり手元にくっつけた紙を取ってあげるクリスティーヌ」など、明らかに無駄な描写があることで逆に何かの伏線なのだと分かりやすく表現されています。

ハロウィンの花嫁は劇場版の割りに容疑者の数が少ないので、この時点で「どっちかが犯人なんじゃない？」と大半の人は思わされることに。

見所⑤：安楽椅子探偵『降谷零』

映画冒頭で首に爆弾を着けられてしまった安室さんは、万が一の爆発で周囲に危害が及ばないよう地下シェルターに隔離されています。

隔離されているのに余裕の態度で、やたらとカッコイイ椅子にかっこよく腰かけているので危機感ゼロ。

視聴者含め「まあ安室だし死ぬことは無いだろう」というのが画面全体で伝わってきます。

メタ的な話をすると、今回は劇場版『ゼロの執行人』の時とは違って安室・風見ら公安が全て味方なので、最初から安室・コナンの共闘はさすがに戦力が過剰です。

安室さんを上手い事隔離して戦線離脱させ、コナンには情報提供のみを行うポジションとすることで、良い意味で緊張感が出ます。

後半の降谷零大復活の溜めとして、序盤から中盤の安室さんの活躍は次項の過去エピソードがメインとなります。

見所⑥：過去の事件で登場する警察学校組

本作は佐藤・高木の2名をメインに据えつつも、終始一貫して物語に深く関わっているのは松田をはじめとした『警察学校組』です。

既に4人が殉職している中で、どのように本編に関わってくるのかと気になる視聴者も多かったと思います。

結果として、松田の殉職直前、プラーミャと萩原を除く警察学校組の対決が描かれ、その因縁を元にストーリーが展開していくことに。

過去のエピソードで爆死した男に松田が名刺を渡していたことも判明します。

また、今まで本人についての描写が少なかった諸伏景光（ヒロ）がかなり有能です。

安室の援護やプラーミャの肩を的確に打ち抜くなど、ゼロとの阿吽の呼吸を見せてくれました。

見所⑦：命を狙われる探偵団

今回は探偵団も明確に命を狙われることになります。

警視庁前での爆死事件の際、子供らの誰かがメモを見たかもしれないと、プラーミャから危険視されます。

結果的には、コナンによって液体爆弾の薬液を採取され、犯人の特定にも結び付くことに。

廃ビル内で探偵団を部屋の外に置いて危険から遠ざけたり、爆弾薬液採取から脱出に至るまで、コナンの超人的な主人公っぷりが炸裂する部分です。

見所⑧：松田に変装する高木刑事

サングラスと髪型を合わせるだけで松田とそっくりになる高木。

普段の人の良い高木刑事から口調まで変わり、ほぼ別人と化しています。

松田に扮した高木が『ナーダ・ウニチトージティ』のアジトに潜入するのは緊張感があり面白い部分。

佐藤・高木両刑事がメインの本作ですが、高木の出番自体は佐藤に比べるとそこまで多いわけではありません。

しかし、弱音を吐く佐藤を励ましたり、負傷しながらも犯人を追いかけたりなど、要所要所で大活躍をしています。

見所⑨：苗子が超絶可愛い

エレニカ達に拉致られ人質となった千葉が無事解放された時の、苗子の泣き顔は過去最高クラスの可愛さでした。

二人はそのままフェードアウトし、出番も少な目ですが苗子の泣き顔は一見の価値あり。

なお、傍らには由美が映っていることが多いものの、『緋色の弾丸』で出番が多かったので今回は台詞もありません。

見所⑩：白鳥がいい奴

風見によって捜査の打ち切りを命じられ、公安に殴りこむ勢いの佐藤刑事を追いかけるよう、白鳥が高木に発破をかけます。

地味ですが非常に感慨深いシーン。

劇場版1作目で初登場し、かつては塩沢ボイスのクセの強い刑事で、高木とは佐藤を巡る恋のライバルでもありました。

その白鳥が「君たちの恋路をずいぶんと邪魔したからね」と応援してくれる姿が印象的。

さらに小林先生から電話がかかってきてデレデレしているオチまで着いて、白鳥がただの良い奴と化しています。

見所⑪：エレニカの演技が素晴らしい

乃木坂46の元メンバー・白石麻衣さんが『エレニカ・ラブレンチエワ』の声優を務めています。

ゲスト声優と聞くと演技にやや不安を覚える方も多いかもですが、今作は完全に当たりです。

というより、近年のコナン映画は下記のように演技の評判が良いゲスト声優が豊富です。

『緋色の弾丸』石岡エリー役：浜辺美波

『紺青の拳』レオン・ロー役：山崎育三郎

『純黒の悪夢』キュラソー役：天海祐希

プラーミャを追う『ナーダ・ウニチトージティ』のリーダーかつ、警視庁前で爆死したオレグの妹であるエレニカ。

家族をプラーミャに殺され強い憎しみを持っていますが、最後はコナンの説得により協力者となります。

その際の泣きの演技は本職の声優と遜色ないレベルで、鬼気迫るものとなっています。

また、コナンに耳元で囁くシーンも印象的です。

見所⑫：灰原が可愛い

前作『緋色の弾丸』ほど出番はないものの、『ハロウィンの花嫁』でも灰原の可愛いシーンはいくつかあります。

☑蘭の花嫁姿を妄想するコナンをジト目で見つめる灰原

☑OPの赤ずきん灰原

☑コナンと一緒に泥棒歩きで探偵団から逃れようとする灰原

☑小五郎が負傷して絶望の表情を浮かべる灰原

☑オレグにメモを渡したり、佐藤刑事の質問に答える際の優しい声色の灰原

☑閉じ込められたコナンの意をくんで率先して探偵団をビルの外に連れ出す灰原

☑ハロウィンの海賊帽を被ってしっかり探偵団に付き合ってあげる灰原

細かい部分が多いものの、灰原は要所要所で登場するのでファンは必見。

前作で目立ったうえに、公開前のCMの段階では小五郎と共に事故に巻き込まれるシーンだけが公開されていたため、今作での出番は少ないかと思っていましたが、意外と登場シーンは充実していました。

見所⑬：プラーミャの正体判明時の緊張感

本作は容疑者の数が少ないので、正直犯人を絞り込むのは簡単です。

景光が過去にプラーミャの肩を打ち抜いたことや、登場時のあからさまなシーンでほぼ初見で分かります。

ただ、今作はアクション一辺倒ではなく一応ちゃんとミステリーをやっていました。

ミスリードも仕掛けられており、大人から子供まで犯人が誰かをほどほどの難易度で推理可能です。

特にプラーミャの正体が判明する時、犯人の顔が映っていないのが緊張感を煽る良い演出。

また、プラーミャ自体は序盤から登場していますが、いつもの黒タイツと違い仮面を被っていることで正体を伏せながら安室らとの直接対決を描けます。

見所⑭：溜めに溜めての降谷大爆発

中盤はコナンに情報提供を行うだけの安室さんですが、後半満を持しての大活躍を見せます。

公安の降谷零として最前線で体を張り、ヘリに飛び移って墜落する中プラーミャと激しい格闘戦を繰り広げることに。

前作で異次元のスナイピングを見せた赤井さんに続き、今作では安室さんが超人的なアクションを見せてくれます。

また、風見を「優秀な部下」と褒めているのも、ゼロの執行人で「それでよく公安が務まるな」と辛辣に叱責していただけに感慨深いシーンです。

見所⑮：16年ぶりの『キミがいれば』

コナン劇場版は毎回豪華アーティストがテーマ曲を担当しますが、『ハロウィンの花嫁』も例に漏れず『BUMP OF CHIKIN』が担当しています。

テーマ曲「クロノスタシス」が流れるスタッフロールも良いのですが、今作は久々に「キミがいれば」が挿入歌として使用されています。

タイトルを知らない人が多いかもですが、コナン映画で以前よく流れていた「うつむーくーその背中に～」というあの歌です。

最後に使われたのは恐らく10作目の『探偵たちの鎮魂歌』なので、16年ぶりとかなり間が空いています。

スクランブル交差点で探偵団やエレニカ達が協力するクライマックスシーンで流れるので、テンションが上がったファンも多いのではないでしょうか。

見所⑯：歴代最強クラスの犯人プラーミャの脅威

正体は伏せますが、本作の犯人『プラーミャ』はキュラソーと張れるレベルの身体能力を持つ犯人です。

安室、伊達、景光の3人からパルクールで余裕で逃げ回ったり、回転して墜落するヘリの中で安室と殴り合うなど人間を辞めてます。

恨みを持つ遺族などが『ナーダ・ウニチトージティ』を組織化するほどの爆弾魔で、イメージとしては『世紀末の魔術師』のスコーピオンに近い犯人。

さらに恐ろしいのは、プラーミャには一切の動機が無い絶対悪。

爆破の邪魔をした降谷・松田・景光への恨みと『ナーダ・ウニチトージティ』の絶滅のために動いています。

このくらいでないと警察学校組4人組とはやり合えないのだと思いますが、過去最強レベルの犯人プラーミャの強さは必見です。

コナン劇場版の個性的過ぎる犯人達は以下記事でまとめています↓

見所⑰：『ナーダ・ウニチトージティ』の意味の変化

作中幾度となく登場した青とピンクの薬液を使った液体爆弾。

クラマックスでは渋谷の坂を薬液が下り、スクランブル交差点で大爆発を起こす時限装置として登場します。

プラーミャに恨みを持ちうエレニカ達は、ロシア語で「息の根を止める」という意味を持つ『ナーダ・ウニチトージティ』を組織の名前にしています。

しかし後半、コナンはプラーミャの爆弾を止めるためにエレニカ達を説得する言葉として「ナーダ・ウニチトージティ」と声をかけることに。

その日本語訳の字幕は「爆弾を止めよう」。

プラーミャへの憎しみだけが原動力だったエレニカ達に、爆発を止めるためにこの言葉をかけるコナンが最高に主人公しています。

一瞬の台詞なうえロシア語なので、これから見る人や聞き逃した人は、次回見る際ぜひ注意深く聞いてみてください。

見所⑱：新一の過去と萩原

渋谷の大爆発を未然に防いだ物語のラストで、コナンは安室に爆弾の薬液を巨大サッカーボールで堰き止めるヒントとなった出来事を語ります。

子供の頃、新一がサッカーボールを水道管に当てて水が噴き出してしまいました。

その時、壊れた水道管に野球のボールを挟んで止めてくれたのが警察学校時代の萩原だったのです。

一瞬の出来事でコナンもうろ覚えのようでしたが、実は安室も近くにいたので安室もそのことを思い出します。

空を見上げて無言の安室に「どうしたの？」と問いかけ、安室は「別に」と答えます。

安室は笑みを浮かべながらもその目は涙で静かに揺れていました。

これだけでも感動的なシーンですが、7年前に殉職した萩原と小学1年生生のコナンが出会っているはずが無いのは2人とも分かっています。

それでもそう伝えたことに信頼関係を感じられる素晴らしいラストシーンとなっています。

ちなみに、これ以外にも本作は小五郎の重症にショックを受ける灰原や、プラーミャへの憎しみを宿すエレニカなど登場人物の『眼』に関する作画に気合が入っている印象です。

見所⑲：紛れもなく『警察学校組』がメインの作品

『ハロウィンの花嫁』は高木・佐藤刑事をストーリーの主軸に据えていながらも、事件の中心にいるのは最後まで安室を含めた警察学校組です。

安室と松田が遭遇したプラーミャとの因縁を、コナンと安室が解決するというストーリー展開。

萩原は当時既に故人ながら、その機転が松田の爆弾解体やコナンの巨大サッカーボールの発想を成功に導くことになります。

降谷以外故人の警察学校組を上手く物語に絡め、しかもメインに据える形でやってのけたのが本作の最もすごいところでした。

見所⑳：来年の映画は…

エンドロール後のお楽しみ、来年の劇場版予告。

水底に沈んでいくかのような演出と共に聴こえてくるのは

「会いたかったぜ、シェリー…！」

というジンの声でした。

来年は『純黒の悪夢』以来の「黒の組織回」のようです。

順番で言えばそろそろ服部かなと思っていたので意外でしたが、灰原が関わってくるようで非常に期待が持てます。

さすがに劇場版で灰原の正体がバレる可能性は低いので、「灰原がAPTX4869の解毒剤でシェリーに戻る」というような展開が待っているかもしれません。

組織回ということで、アイリッシュ・キュラソーに続き、組織の新メンバーの登場もあるかもです。

補足：残念だったところ【若干気になる…レベル】

『ハロウィンの花嫁』は評判も良く、個人的にも初期コナン映画を彷彿とさせて好きな作品となりましたが、気になる点もいくつかあります。

どんな作品にも良い点と悪い点があるので、併せて記載しておきます。

★ところどころ無理のある展開

気になったのは、クライマックスシーンで渋谷から人っ子一人いなくなる部分です。

途中渋谷ではヘリの墜落などにより避難誘導がありますが、さすがに渋谷駅前のスクランブル交差点から誰一人いなくなるのは少し無理があるかなと感じました。

ただツッコミだすとキリが無いのは毎年のことなので、そう考えるとむしろ今年は完成度が高い方です。

また、小五郎がトラックに轢かれて頭を打つ重症なのに、英理が全く登場しないのに少し違和感。

「何だかんだ小五郎大好きな英理ならすぐに駆けつけるのでは？」と思いましたが、別の時間に来てるんだろうと勝手に納得しました。

★犯人は秒で分かる

今作は容疑者が少なすぎて犯人は登場時点で大体わかります。

尺の都合もあるので仕方ない部分ではあるものの、かなり分かりやすく描写されているので、この辺りを期待していた人は肩透かしを食らうことでしょう。

とはいえ、近年のコナン映画の中ではミステリーをやる気がある方で、大人から子供まで一応推理を楽しめる点では良い点かもしれません。

★近年のコナン映画にしては爆発が地味

今作は被害の大きさという点では絵面は地味な方です。

途中のビルの爆破や、ヘリが激しく墜落する中での安室vsプラーミャなど見所は多いものの、これまでリニアモーターカーが大暴走したり、マリーナベイサンズの船がまるごと落ちるのを見てきているので物足りなく感じる人もいるかも。

また、場面も基本的には渋谷だけで完結するので、比較的狭い世界で事件が解決します。

その一方で安室さんを中心とした肉弾戦のアクションなどは気合が入っているので、とにかく大爆発が見たいという人以外は楽しめるはず。

初期の頃のコナン映画レベルには十分爆発しているので、安心してください。

総評：劇場版『名探偵コナンハロウィンの花嫁』は初期コナン映画を彷彿とさせる良作

総評として

警察学校組を安室・コナンで繋いで上手くまとめあげた良作。

という感じです

既に故人の4人を余すことなく現在時間軸に絡めた、脚本の勝利。

また各キャラについての感想は以下です。

キャラ	感想
江戸川コナン	☑近年の劇場版からは意外なほどちゃんと主人公をやっている ☑安室との信頼関係が熱い
毛利蘭	☑前作同様若干蚊帳の外 ☑一応燃えるメモを見て推理の決め手になる活躍
毛利小五郎	☑序盤で退場するので出番はかなり少ない ☑灰原を助ける時のかっこよさは異常
灰原哀	☑退場すると思いきや要所要所で活躍 ☑次作もメイン張れそうなので期待大
高木渉佐藤美和子	☑どちらも要所要所かっこいいが思ったよりはメインではない ☑最後は幸せなキスで大勝利
安室透	☑今回は犯人に押される部分もあるもののとにかくかっこいい ☑前半の溜めからの後半大爆発
風見裕也	☑佐藤刑事にぶん殴られる ☑いつも損な役回りながら、今作は降谷に褒めてもらえた
松田陣平	☑警察学校組の中でもメイン ☑常に余裕がありかっこいい
伊達航	☑車のドアを持ち運び、安室をぶん投げるなど完全にパワーキャラ ☑活躍は最も少なかった
諸伏景光	☑格闘シーンや安室の援護など短いながら渋い活躍 ☑全体的に有能な印象
萩原研二	☑7年前に殉職しているので出番は少ない ☑ただし松田やコナンを間接的に助ける地味なMVP
その他	☑プラーミャが最悪（褒め言葉）で良い犯人 ☑エレニカや苗子が可愛い